
カスタマーサポートにAIを導入したのに、問い合わせ対応の負担が思ったほど減らない——そう感じている担当者は少なくありません。株式会社miiboの調査では、AI導入後も「回答の確認・修正にかかる負担が減っていない」と答えた企業が54.7%にのぼりました。本記事では、なぜ負担が減らないのか、その原因を3つに整理し、負担を実際に減らすための運用の考え方を、調査データとともに解説します。
結論を先にお伝えします。負担が減らない多くのケースでは、AIが「答えて終わり」になっており、AIの回答の確認・修正と、AIが解決できなかった問い合わせへの対応が、人に残り続けています。逆に、有人対応の内容がAIの改善(ナレッジ改善)に回る仕組みがあれば、使うほどAIの精度が上がり、負担は減っていきます。以下で、原因と解決の道筋を順に見ていきます。
AIを導入しても、半数以上が「負担は減っていない」
まず、現状を調査データで確認します。

株式会社miiboの調査「カスタマーサポートAI活用実態調査2026」では、AI導入後の確認・修正負担の変化を尋ねました。その結果、「ほとんど変わらない」「やや増えた」「大きく増えた」を合わせた54.7%が、負担は減っていないと回答しています。一方で「減った」と答えたのは41.7%にとどまりました。
この数字は、AIの導入そのものが、必ずしも負担の軽減に直結していないことを示しています。AIを入れること自体がゴールではなく、入れた後に負担が減る運用になっているかが、分かれ目だと言えます。
なぜ負担が減らないのか|3つの原因
負担が減らない背景には、共通する3つの原因があります。
原因1:AIの回答を、結局は人が確認・修正している
1つ目の原因は、AIの回答を人が確認・修正し続けていることです。AIが回答を返しても、その内容が正しいか不安が残れば、担当者が目を通して直すことになります。回答のたびに確認が発生すれば、対応の総量は思ったほど減りません。これが、確認・修正負担が残り続ける直接の理由です。
原因2:AIが解決できなかった問い合わせを、改善に活かせていない
2つ目の原因は、未解決の問い合わせを次の改善に回せていないことです。

同じ調査で、「AIが解決できず人が対応した問い合わせを、次回以降のAI回答やナレッジ改善に活用しているか」を尋ねたところ、44.7%が「活用できていない」と回答しました。AIが答えられなかった問い合わせは、本来、何が不足しているかを教えてくれる改善のヒントです。それを活かせないと、同じ問い合わせが繰り返し人に回り、負担が下がりません。
原因3:成果や品質を可視化・管理できていない
3つ目の原因は、AIの成果や品質を可視化・管理できていないことです。

AIの解決率やエスカレーション率、コスト削減効果などを「管理できている」企業は、いずれの指標でも約半数にとどまりました。何がどれだけ改善したかが見えなければ、どこを直せば負担が減るのかも分かりません。可視化の欠如は、改善の打ち手を曖昧にし、負担を放置させます。
負担が減る運用と、減らない運用の違い
これら3つの原因は、運用の「型」の違いに集約できます。
「AIが答えて終わり」では、負担は人に残る
負担が減らない運用に共通するのは、「AIが答えて終わり」という一方通行の構造です。AIが回答し、間違っていれば人が直し、答えられなければ人が対応する。この流れでは、確認・修正と未解決対応が、すべて人に積み上がります。AIは導入されていても、改善が回らないため、負担は時間がたっても減りません。
有人対応の内容がナレッジ改善に回ると、負担は減っていく
一方、負担が減る運用には、有人対応をAIの改善に戻す「ループ」があります。人が対応した内容を、AIの回答の元になるナレッジに反映すれば、次から同じ問い合わせはAIが答えられるようになります。人が一度答えるたびにAIが賢くなるため、確認・修正の必要も、人に回る未解決も、運用を続けるほど減っていきます。このように、使うほどAIが育っていく考え方を、自律進化型と呼びます。
ナレッジ運用を続ける企業ほど、成果が出ている
この「ループを回す運用」の効果は、データにも表れています。

調査では、ナレッジを月1回以上更新している企業の割合が、全社で本番導入している企業では64.4%だったのに対し、β版・PoC段階の企業では18.4%にとどまりました。その差は約3.5倍です。ナレッジ更新や改善活用が進んでいる企業ほど、AI導入の成果を実感する傾向が見られました。負担を減らせるかどうかは、AIを入れたかどうかではなく、ナレッジを育て続けられるかにかかっていると言えます。
負担を減らすために、明日からできること
負担を減らす運用に近づくために、3つの観点で見直せます。
まず、未解決の問い合わせを改善に回す仕組みを持つことです。人が対応した内容を、その都度ナレッジに反映する流れを作れば、同じ問い合わせが繰り返し人に来る状態を減らせます。
次に、解決率やエスカレーション率を可視化することです。何がどれだけ改善したかを数字で追えれば、次に直すべき箇所が見え、改善が空回りしません。
そして、AIと人の役割を分けることです。定型はAIが一次対応し、判断が要るものは人が引き継ぐ、と切り分ければ、人は本当に必要な対応に集中できます。
これら3つを、運用の手間として人が背負うのではなく、仕組みとして備えているのが、自律進化型カスタマーサポートAI「miibo for カスタマーサポート」です。AIの一次対応から、有人対応の内容を使ったナレッジ改善、成果の可視化までを、一連の流れとして回します。仕組みの全体像は、miibo for カスタマーサポート完全ガイドで確認できます。
よくあるご質問
AIを導入すれば、問い合わせ対応の負担は減りますか?
導入するだけでは、必ずしも減りません。株式会社miiboの調査では、AI導入後も54.7%が確認・修正の負担は減っていないと回答しました。負担が減るかどうかは、AIの回答の確認・修正や、AIが解決できなかった問い合わせへの対応が、人に残り続けない運用になっているかで分かれます。
なぜAIを入れても確認・修正の手間が残るのですか?
AIの回答が正しいか不安が残ると、人が目を通して直すためです。さらに、AIが答えられなかった問い合わせを改善に回せていないと、同じ問い合わせが繰り返し人に戻り、手間が減りません。改善のループを持つ運用にすることで、確認・修正の必要は徐々に減っていきます。
負担を減らすには、何から始めればよいですか?
未解決の問い合わせを改善に回す仕組みを持つこと、解決率やエスカレーション率を可視化すること、AIと人の役割を分けることの3つが起点になります。これらを人の手間ではなく仕組みとして備えると、運用を続けるほど負担が下がりやすくなります。
まとめ
AIを導入しても問い合わせ対応の負担が減らない背景には、AIが「答えて終わり」になり、確認・修正と未解決対応が人に残るという構造があります。自社調査では、54.7%が負担は減っていないと回答し、44.7%が未解決を改善に活かせず、成果を可視化・管理できている企業は約半数にとどまりました。負担を本当に減らす鍵は、有人対応の内容をナレッジ改善に回し、使うほどAIが育つ運用にすることです。負担が減らない原因の先にある「では、成果を出している企業は何が違うのか」については、カスタマーサポートAIで成果が出る企業の共通点|ナレッジ運用3.5倍の差で解説しています。自社の問い合わせ対応の負担を見直したい場合は、完全ガイドで仕組みを確認し、他のサービスとの比較はカスタマーサポートAIの比較と選び方もご覧ください。導入相談や資料ダウンロードもご利用ください。
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